名も無き花
【風の言葉】を2冊手に取った。

ふとみると、隣に【ファーストキス】も置いてある。
ついでに1冊手に取った。

「ぁ、あたしもそれ欲しい!」

ふいに水谷さんが腕を引っ張った。

「ん?はいはい」

そういって、水谷さんの分もとる。

なんだか、レジも半端なく並んでいるので他のコーナーでも見ながら時間をつぶすことにした。
漫画・雑誌・専門書…意外と幅広い。
普段は漫画と雑誌しか読まないからほかのブースに目を通すことがない。

ある意味発見が多い地元の本屋のひと時だった。


「んー」


水谷さんが、何かを探している。

「あ!あったぁー」

何が?

「昭ちゃんが、好きそうなエッチィ本だよー」

ぁ?

「否定はしないけど、絶対に本屋で女の子と一緒に見るもんじゃないよな!!」

否定したらあれだ、男としてどーかとおもう。つぼみのまま腐っていくのは嫌だ!!

「じゃー、あたしが欲しいから買ってよー」

いや、絶対欲しくないだろ!?

「おねがい。ね?」

いじめだー、断れないじゃん。

「わかったよ、買いますよ」

水谷さんが適当に手に取ったやつをしぶしぶ受け取る俺。
なんというか…おれの趣味を分かってらっしゃる!って、問題だぞそれ…。



そして、これ以上被害が広がる前にレジへGO!
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