私の彼氏はバッテリー
少し坂を降りた所に壁があり、左右の道に分かれている。


「じゃあ、俺はこっちだから」

と、右の方向に寄るリョージ。


それぞれの分かれ道ー…

暗くなった夜道に街灯がほのかに光る。互いの顔は街灯の明かりが弱いためか、薄暗い。


この時はまだ夜は冷えていた。


リョージは右の道、ユミは左の道へとー…


ーそれから2ヶ月が経った今…


せっちゃんと相談した結果、付き合っていく中で互いを知っていけばいいという事になった。


いよいよ本格的に受験勉強が始まるシーズンの中、彼は野球最後の試合だった。


今は2ヶ月前の頃とは違って、夜も暑さが続いている。



扇風機で暑さを凌ぎながら携帯電話を取り、着信には『リョージ』と表示されていた。



「もしもしー」


「よう、ちょっと話したいな思ってて」


「うん、いいよ」

ユミは椅子に座り、膝をあげる。
体育座りみたいな姿勢でー…


「いよいよー明日からだ、緊張してさ」


そう、明日から高校3年生最後の野球試合が始まる。
試合日は平日のため、応援は出来ないから今しようと思う。


「うん、明日からだもんね。体調はどう?」
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