私の彼氏はバッテリー

第1試合は相手が弱い高校のため、余裕で勝てたという。


当然彼も「こんなのは下調べだ」と、張り切っていた。


次の対戦相手はやや強いらしいが、それでも普段通りに発揮できていれば苦労に越したことはないと。



その2回目まであと3日。



放課後、いつもの自習教室でせっちゃんと一緒に勉強する。

校舎の外からはいつものように野球部の歓声が聞こえる。



この教室は3階にあり、そこから野球部や陸上部、サッカー部の人らが見える。



今勉強している私たちにとって、彼らとは別の世界にいるみたいだった。

「ちょっと休憩しよっか」


せっちゃんの一言で私も鉛筆を机の上に放り出す。


「ちょっと飲もっ」



3階から1階に降り、ドアを開けた所にベンチがあり、その奥には自販機がある。


せっちゃんはいちごオレ、私はココア。


「ー彼とはどお?」

空を眺め、ベンチに深く腰をかけて足を振るせっちゃん。

「いつものように仲良くしてるよ」

と、返してみた。


「ふ~ん」

じっと空を見つめたまま動かない。



「どこかに出かけたりはしないの?」



せっちゃんも知っている、デートをした事がないのをー…
< 14 / 26 >

この作品をシェア

pagetop