私の彼氏はバッテリー

5回表を終え、5回裏を迎えた。



バッターはリョージ。

敵チームのピッチャーが球を放つ。


1球目で高く打ったが、惜しくもファウルとなる。


再び構え直すリョージ。
ピッチャーが2球目を放った時ー……



ここからだと聞こえるはずもないのに、私ははっきりと聞こえた。




ー鈍い音が。


ボールが別の方向に飛んでいき、リョージは倒れる。



騒動。


気づけば私は立っていた。


立って、リョージを見つめる。


倒れているリョージ。



他の野球部が集まり、ついに担架が来る。


ー何があったの…?

ここからじゃ何もわからない。



どうして?

何があったの?


ケガだけはして欲しくないー…


すると…


担架は乗せる事なく下げる。



ゆっくりと立ったリョージ。

少し歩きにくそうだが、何とか1塁へ出塁する。




どうやら、足に被弾したらしく、冷却スプレー程度で済んだとの事。


ホッとした所をせっちゃんが「座ろう?」の一言で、自分が立っている事に初めて気付く。



そしてー…
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