私の彼氏はバッテリー
「ーと言ったらアイツが…」
学校から家までの帰路。
私と彼は行き先が途中まで同じのため、こうして一緒に歩いている。
平日はリョージは放課後から部活があるため、終わるのが遅く、一緒には帰らない。
けど、今日は土曜日。
土曜日は練習が午後からのため、4時ぐらいには終わる。
その間、私は隣の校舎で彼らが練習している様子を横目で眺めながら大学入試に向けて勉強する。
ー今日みたいに。
「で、3塁のポジションがー…」
また野球の話を続けている彼。
正直、野球のことはわからない。
でも、彼が野球の話をする時、少年のように目を輝かせているから、それが見たくて話を合わせている。
こうやって、付き合ってから毎週土曜日は途中まで一緒に帰る。
野球の話ばかりで、それ以外の話は少ないし、今は彼は高校最後の野球試合で精一杯だから。
なぜ、その精一杯の時に私と付き合おうって思ったんだろうー…
告白されたのは2ヶ月前の、学校帰りだった。