私の彼氏はバッテリー
誰から見てもわかる、重そうな足取りでホームベースまで歩くリョージ。
心配するユミ。
彼は叫んだ。
「しまっていこうぜぇぇえっっ」
こうして、彼の最後の野球試合が終わった。
リョージは試合終了後にすぐ整骨院に送られる。
球場に残った私は他の野球部の顔を見る。
悔しい顔。
泣き顔。
悲しい顔。
青春の表情がここで語っている。
私にもあった、青春ー…。
「ー帰ろっか」
「ーうん」
夕焼けの中、私たちは野球部らとは別に帰った。
電車の中、私たちは試合での出来事を話す。
「ーでさ、そこを上手く捌いてたからさ~」
「そうそう、それで点取れたのにね!」
こうすれば勝てたのに、とかやっぱり内心は私たちも悔しかった。
「木崎は大丈夫かな」
せっちゃんのこの言葉で、何かが私を通り過ぎた。
突然溢れ出す涙ー…
ギョッとするせっちゃん。
「どうしたの!?」
他の乗客もじろじろと見つめられる。
「わかんない…わかんないけど、急に涙が出てきて…。どうしよう、涙が止まんないよぉ…っ」
しばらくはこの状態だった。