私の彼氏はバッテリー
校門まで歩き、そこに人影があり、近付けば近づくほどー…
私の鼓動も強くなっていく。
そう、彼ー…木崎リョージがいた。
それも、松葉づえをついて。
「ーあたし、先に帰るね。バイバイ、ユミ」
「うん、バイバイ」
わかったように、すんなりとせっちゃんは先に帰った。
私はこのままリョージの所に行く。
会って、互いに沈黙が流れる。
「ー足大丈夫だった?」
私のほうから話を始めた。
「あぁ、今は歩きにくいけど3日もあれば松葉杖はいらなくなるって」
「試合見たよ、よく頑張ったね」
「結局負けちまったけど。でもありがとう、見に来てくれて」
「そんな事ないよ」
2人はしばらくして歩く。
いつもの道。
今日こそはっきりしなければならないー…
2ヶ月前の、ずれ違いから。
私自身の気持ちをちゃんとわかって欲しいから。
彼は…リョージは、その時はどう受け止めるのだろうー…
ギュッと胸あたりを掴む。
頑張れ、私…!
その手を戻した頃には…
「リョージ」