私の彼氏はバッテリー
告白された日の夜。

私は考えた。
幾つも考えた。

彼と付き合っていいのだろうかー…
でもまた彼の事を知らないし、このままではいけないし。


何度も繰り返し考えては、また一からやり直す。


とうとう頭の限界になり、受話器を取る。
相手は同じクラスで中学から仲のいいせっちゃん。


「せっちゃん!」
もしもし、とせっちゃんの声と共に叫んだ。

「ちょ…ちょっと待って」
受話器を遠ざけて話しているのがわかった。


でも、それどころじゃない。


「あのね、あのね!うぅっ、どうしよう…」

テンパっているユミを落ち着かせようとせっちゃんは深呼吸して、と言う。

従って、深呼吸をするユミ。


「ユミ、落ち着いた?」
「うん…ごめん」
「それでどうしたの?珍しいね、ユミが乱れるなんてさ」

「今日ね…告白されたの」
「えぇっ?」
受話器ごしにせっちゃんの驚く顔が思い浮かぶ。

「その人誰??」
「ー木崎リョージ君」

しばらく間があった。
「あっ、木崎リョージ!確か1年生の時に同じクラスだった」

思い出すのに、間があったらしい。


「ホントに木崎から告白されたの!?良かったじゃん」

「えっ…なんで?」
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