私の彼氏はバッテリー

「彼は誰に対しても優しいし、みんなを引っ張ってくれるリーダー存在だもの」
「そう…なんだ」

去年同じクラスだったのに、そこまで見てなかった。

というよりー、今言われてみて確かにと思い出した。


体育祭や文化祭でも彼を中心に皆が動いてたのを。


「それの証明として、野球部のバッテリーだしね」

野球部のバッテリー…
それが何度も頭の中でこだまする。


「せっちゃんー…」
「何??告白の返事に困っているの?」

「うん…それもそうだけど、バッテリーって何?」

沈黙の時間が流れる。


「あぁ…野球の事あまり知らないもんね」
少し声のトーンが低くなってた。


「明日野球部を覗きに行かない?それでわかると思うよ」


「明日…うん」
続いてせっちゃんは「返事は?」と尋ねてくる。


「…まだわからない」
「そうー…でも、それでいいよ。ゆっくり考えたらいいし」
「うん…ありがとう」


せっちゃんに電話して良かった。
せっちゃんは人を安心させる力があるから、私も話すだけでかなり落ち着く。



…初めての告白だから。
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