私の彼氏はバッテリー
確かに大変だけど、好きでやっているし、それに色んな人の動きやクセがわかるから楽しいんだよ。

そう言い「また後で」と控え室に戻っていく。



「痺れる事いうねぇ~」
せっちゃんも少しカッコいいと思ったらしい。


一旦校舎の中心にあるベンチに座る。


「はい」
ユミが自販機からフルーツオレといちごオレの紙パックを買って持ってくる。


「ありがとっ」
せっちゃんはいちごが大好きで、もちろんいちごオレ。

ユミはどっちでもいいけど、単にフルーツオレを買ってみただけ。


ユミもベンチに腰をかけ、フルーツオレを飲む。



「…ユミ。木崎の事気になってるでしょ」

やっぱりせっちゃんにはバレていた。

「う…うん」
素直に頷く。



「…どうするの、返事」

「…まだお互いの事知らないから、まずは友達から始めてみようと思う」


「うん、そのほうがいいね」


せっちゃんは深く腰をかけ、校舎に囲まれた青い空を見つめる。

「恋…かぁ~」

これから夏がやってくる、程良いすっきりとした季節。


これが、私[ユミ]の恋の始まりだった。
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