私の彼氏はバッテリー

まずは友達から始めよう。

そう決めた私は、練習が終わるまで待つ事にした。


試合が近いからか、2年と3年は気合いが入っている。

1年生はそれに必死についていこうとする。


夕方になり、日が沈み始める頃には終わった。


それぞれ部活者は片付けて帰宅する。



部室の中からその1人である彼がやってきた。

その後ろには同年や後輩らもついている。


「あっ…」

彼、リョージはユミに気づき、後ろの人らに

「ごめん、用事出来たから先に帰ってて」
顔の前に手をたてて謝る。


同じ部活者が
「おぉ~、あれ彼女!?」
「いつの間に!」
「結構カワイイじゃん、先輩も隅におけないっすね~」

と野次馬のように煽る。


「そんなんじゃないって」
そう言い、リョージはユミのところに向かう。

「もしかして、あれから待ってた?」
「あ、うぅん。せっちゃんと一緒に居たから大丈夫」
「せっちゃんー…あぁ、橋川の事か」

「うん…」


そこから会話が展開出来ないまま、お互い黙り込む。



「えっと…じゃあ取りあえず、帰ろうか」
そう言い、リョージは下げカバンを持ち直し、校門に向かう。


「あっ…」

早足になった彼についていくユミ。
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