Pinky
近づいて行ったら啓の顔がよく見えた。






ちょっと…火照ってる?








「なんか結婚式みたいや…。」



私はポソッと呟いた。




啓はフッと笑った。


「昔、お前の家にいた時、俺が家に帰る頃になると、『いやっ!けいと離れるんやったら、ウチ、けいと結婚するー!』って言ってたんやで。覚えてへんやろ。」







「…そんなこと言ってたんや。」






なんか…こーゆーの、

嬉しい。





「いいムードですねぇ。お2人さん。」



そう言ってカメラを向けられる。


「可愛く写ってよ」


奈々が言った。




「はい。じゃあもっと引っ付いて。」







へ?




今の1メートル距離があるだけでも心臓の音ヤバいのに。




グイッ





!?




突然、啓に肩を引き寄せられた。





顔がリンゴなみに赤くなる。
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