Pinky
「なんか…中、暗いなぁ。」


「なんや?怖いんか?」


俺がにやけて言うと、美緒は焦ったような口調で言い返した。




「んな訳ないやん。楽しいし!」





こいつ、無理して言ってるな。


顔みたら分かる。



14年も好きでいたら嫌でも気づくっつの。








ギュ…






美緒がビクッとする。


俺は美緒の手を握った。


まぁ、さすがに恋人繋ぎは出来んかったけどな。





暗闇で美緒の顔色は分からへんけど、きっと真っ赤やろう。





そうしてると、後ろからドンッと押された。





プチュッ






「っ!」




2人とも、今起きた出来事に頭がついていかない。




は?

俺、今美緒にキスしてもたな。




と…片方の手が……。





恐る恐る自分の繋いでない手を見ると美緒の胸を…。






今まで触ったことなかったから、俺はかなり熱くなった。



や…柔らかい。


照れ隠しをするかのように俺は言った。


「こいつら…詰めすぎやろ。」




ぎゅうぎゅうに押されてて手を退けようとしても動かせない。




そこをなんとかして手を退かそうともぞもぞと動かした。





「んっ…。」




へ?

今の美緒の声?




「やっ…啓、動かさんと…いて…。」





俺のドキドキのバロメーターは最高潮。




「んな事言われてもな…。」

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