Pinky
平然として答えたつもりやったけど、内心は大嵐状態だった。




まじでヤバい!

早くうごけや!


緊張のあまり手が震える。




すると前の方が少し進んだ。


動けなかった手が離せた。




ほっとした。

よかったー!




美緒に嫌われたら俺の人生終わる!



でも美緒はずっと下を向いたまま。



「美緒?」



「…何?」



なんやねん、その沈黙。



「きっ、気にすんなや。今のは事故やって。」



俺は慌てて言った。




「…なんとも思わへんのや。」






「え?」



俺にはよく聞こえなかった。


でも横を向くと美緒はムスッとしている。






やっぱ俺、嫌われたかも。







いやいや、あれで嫌われたらその前にキスした時点で嫌われてるやろ。




でもその後は普通の会話をして並んでいた。


少し不機嫌な美緒を気にかけながら。

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