Pinky
アトラクションに乗る番が来た。



美緒は先に乗って欲しいというような顔で俺を見たから、乗り物の奥に詰めた。


以外にもビックリする場面が多いアトラクションで決して怖いやつじゃなかったのに、隣の美緒は大きな音が鳴るとすっげビクついてた。




なんかそれが可愛かったりして。



そんなこんなでアトラクションを乗り終えた俺達。



「あ!いたいた!おーい、美緒ー、啓ー!」



げっ…兄貴や。



せっかくの2人きりを邪魔すんなやぁ。



兄貴はすっかり元気になっていた。



「弱ったまんまでよかったのに。」


俺は思ったことを口にする。


「は?もっかい言ってみろや。」




兄貴は軽く俺の頭を叩く。


美緒は笑ってる。


不機嫌な顔はしなくなってた。




なら、いっか。


叩かれた不満は美緒の笑顔でなくなった。
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