Pinky
その時、


「けーい!どしたん?なんかテンション低いやん。」


「美緒!?なんやねん、ビックリさせんな…」



なんか美味しそうな匂いのものが口にあたった。





!?!!?



「ドーナツお腹減ったんやろ?」







美緒のこんなさりげない優しさがじーんときた。




こういう所がキュンとなるポイントやねんよな。


んま好きやし。



いっつも俺ばっかなのは悔しいけどさ。




「さんきゅ。」


「どーいたしまして」



「あ!いーなー。啓だけ?」


兄貴が言う。


「ごめん。さっき啓がお腹空いたって言ってたから。」

美緒が焦って言う。


「なら勇斗も買ってくれば?」

と徹兄ちゃん。


「えー…めんどくさいからええわ。」


「なんやそれ。」

兄貴たちの会話をよそに俺達も違う話をして盛り上がってた。




「なんか美緒の食ってるやつ、うまそうやな。一口くれ。」



そう言って美緒のクレープにかぶりつく。



「あ!私のいちご〜。」


あ、しまった。


美緒の大好物のいちごを食ってしまった。





美緒はかなりショックを受けてるみたいや。



「俺のも食べろよ。」




「うん……って、え!?」



美緒はその瞬間、真っ赤になった。
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