Pinky
そのとたん、啓の目が輝いた。



「マジで!?朝飯フレンチトーストなん!?」




よっしゃぁ、と言って啓は立ち上がった。






単純やなぁ…。



ちょっと笑いそうになったけど、誤魔化すように勇斗兄ちゃんにも声をかけた。




それから皆で食事。



おいしいと言って食べてくれる啓を見てるだけで幸せだった。



「んじゃ、仕事行ってくるわ。戸締り忘れんなよ。」


「分かってるって、お兄ちゃん。勇斗兄ちゃんもいってらっしゃい。」



「いってきます。」




お兄ちゃんは仕事、勇斗兄ちゃんは地元の友達と遊びに行った。




扉の閉まる音がした瞬間、

「やっと行った…。」



という啓の声が聞こえてきた。




「でも勇斗兄ちゃんがいたら小さい頃に戻ったみたいで楽しいやんか。」



「まぁ、それはそうやけど。てかお前、兄貴のこと妙に褒めてへんか?」


「は?そんなつもりはなかってんけど…。」




「ふーん…。」




ふてくされた顔つきになる啓。
< 177 / 226 >

この作品をシェア

pagetop