Pinky
「おい、美緒ー…。」


チャイムと同時に啓がこっちに来た。




「ごっ、ごめん!私…トイレ行ってくる!」



啓の言葉を遮って走ってトイレに言った。


後ろから「どうしてん…。」って聞こえた気がしたけど。



今はいちいち構ってられない。


さっきの言葉で泣いてた事を知られたくない。









―付き合ってへんのにな。―



頭から離れてくれない。



なんで?



…今までのバグとかキスは?



可愛いって言ってくれたのは?











…夢のような出来事が連続で起こったせいや。




私、自意識過剰になってる。


少しでも女として意識してもらえてるなんて思ってさ。


都合いいように考えてただけ。


私の事なんか何とも思ってないんやから…。

< 186 / 226 >

この作品をシェア

pagetop