Pinky
「美緒?」


トイレの入口からひょこっと顔を覗かせた奈々がいた。




「あ…奈々。」


「もうすぐチャイムなるよ?教室戻らない??」



もう?




私は休み時間中ずっとトイレにいたらしい。



時間進むの早いな…。

気づかなかった。





「う…ん。」


「美緒…。」


心配そうに私の顔を覗き込んでくる。



トイレを出て、教室の手前で私は足を止めた。



「やっぱり…しんどいから保健室行ってくる…。」



私はどうしても教室には入りたくなかった。



悩んだあげく、選んだのは保健室に仮病で行くこと。
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