Pinky
「…うん。わかった。気をつけてね。」



奈々はすぐ理解してくれた。


仮病を使う私に付き合ってくれた。

無理に笑顔を作りながら心配してくれてる。

「ありがと…。」


とぼとぼと歩きだす。

廊下に授業開始のチャイムが響きわたる。




先生ともすれ違ったが、「気分が悪いので…。」と言った。




そうして保健室のベッドを借りた。


「先生、今から出張だから気分よくなったら戸締りお願いしていい?」


「あ、はい。」



結局、独りぼっち。
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