Pinky
苦しかった。

悲しかった。




それとあまりにも違いすぎる今の感情。

幸せだった。



「そんな泣くほど怖かったんか?…起こせばよかったな…。ごめんな、ずっとそばにいたのに。」



その言葉で充分。



それから少し長い時間、啓に抱きついたまま、離れなかった。



「少し…落ち着いたか?」


「うん…。」



もう大丈夫だ。



「ったく…、椅子座って美緒の看病してたってのに、いきなり飛びかかってくるから、椅子ごとひっくり返ってバリ痛かってんぞ。」


「あは…。ごめんごめん。」

さっきのはしょうがないねん。
< 193 / 226 >

この作品をシェア

pagetop