Pinky
「え?何?知り合い??」

さっ君は驚いた様子で私と南を交互に見る。



「私のいとこやねん。」


「ああ、なんや。啓やと思って振り向いたら違ったからびっくりした。」


あ…

それ、私も思った。



啓が来てくれたんだってちょっと期待なんかしたりして…。



もう…。

考えるのは啓の事ばっかりや。



「美緒…こいつ、誰?」


「あ…。」


「佐久間竜や。よろしくな。」


私の声を遮って自己紹介をしたさっ君。


…なんか敵視してるように見えたけど。

気のせいか。


「どうも。」



それだけ言うとすぐその場からいなくなってしまった。



さっ君はポカンとしている。


「あ、南は悪気はなくて…。ああゆう子やねん。」


「ああ。なるほど。」


さっ君は納得してくれたようだ。

「あ…えっと、じゃあ私行くね。」


「おう。…大丈夫か?」


「うん、ごめんね。ありがとう。」



そう言ってその場を離れた。

昼休みももうすぐ終わる。



そろそろ教室に戻らないと…。



重い足取りで教室に戻ろうと校舎に入った。


すると、入り口のドアの影にいた人と目があった。


< 199 / 226 >

この作品をシェア

pagetop