Pinky
「啓の好きな人、知ってる?」


「へ?何??もしかして美緒ちゃん、啓の事気になってんの?」



そうきたか!

予想外の返事。



そういう風にとらえられるならあんま聞きまくらないほうがいいんかも…。




「いや…そ、そういう訳やないけど。皆知ってるのに私だけ知らないみたいで…。」




それを聞いて、直哉くんはポンポンと私の頭に手をおいた。



「しいて言えば、俺も本人から聞いてないけど気づいてるよ。美緒ちゃんは近くに居すぎて気づけないんじゃない?」



そう言ってくれた。



「そ、そっか。そうなんかな…。ちょっと離れた目で見てみるわ。」



直哉くんはアドバイスをくれた。

「うん…ありがと。」




「どういたしまして。困った時あればいつでも相談のるからねー。」


そういって別れ道でバイバイした。




手を振ってると後ろから声がした。




「あら〜、美緒ちゃんじゃないの。」



振り返るとそこには…



「佐恵子さん?え?!佐恵子さんですよね?」


「そうよぉ。すっかり大きくなって、美人さんになったわね。」


後ろにいたのは萩原兄弟の母親。


いえば私のおばさんだ。





「いやいや、そんなことないですよ。佐恵子さんも元気そうで何より。」
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