Pinky

｢…。｣

ずっと黙ってる啓。


｢…入らへんの？｣


私はぶっきらぼうに言った。


｢……。｣



｢閉めるで？｣


あぁ…。

可愛く出来ない…。


これじゃあ、仲直りも当分お預け。


ドアを閉めようとした時、啓が慌ててドアノブを引っ張った。



｢お、おい！待てや！！｣


何でそんな必死な訳？

意味わからへん。



｢…ちょい、外出て来い。｣


｢…………。｣


しぶしぶ外に出た。


あんな態度取ったばっかだから素直に謝れない。


今、すごくチャンスやと思うんやけど…。



｢お前…、本間鈍感やわ。｣


それを聞いてムッとしてしまった私はつい言ってしまう。


｢なにそれ？口喧嘩ならする気ないねんけど。｣


｢俺もねぇ。｣


何？！何なん？


｢…じゃあ何が言いたいん？｣


今度は優しい口調で言える事が出来た。