Pinky
その後、啓とは学校で一切会話なし。

奈々と英二には悪いけど、まだモヤモヤしたまんまやから謝る気にもなれない。

好きな人って誰よ?

昨日の夜、なんで素っ気ない態度とったんよ!?

鈴ちゃんの事、満更でもなさそーやんか。


むかつくムカつくムカツク!!!


「あーもう!!」



私は自分の部屋のベッドの上で枕を叩き付けた。



啓は何を考えてるん?

私の事、今はどう思ってるん?



ガチャン…

玄関が開く音がした。
でも私の家じゃない。

てことは…啓の家?

きっと部活から帰ってきた啓や。


私は気になって窓を網戸にし、隣の啓の部屋に耳を澄ませた。


「へーっ!ここが風岡先輩の家かぁ〜。先輩の部屋はどっちですか?」




!!?!?

す…鈴ちゃん?



「うわっ!?勝手に入んなや!」

啓の怒りの言葉に聞く耳持たずの鈴ちゃん。

すごい勢いで啓の部屋に来る。



バン!!


「うわー!先輩の部屋、汚い!」

「うっせぇなっ!玄関で待ってろよ!」


鈴ちゃんに追い付いた啓が部屋から出て行くように促す。


「もーぅ。先輩ってば、照れ屋さんっ」


何!?その最後のハートマーク!?


「出てけ!」


しまいには無理矢理追い出していた。

啓、結構キツイなぁ…。


それでもつきまとう鈴ちゃんはすごい…のか?

「言い過ぎやろ…。」


ついポソリと言ってしまった。
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