Pinky
やば!!

私は慌てて口を押さえた。



「……は?美緒いんのかよ。」


網戸の向こうから啓が近づいて来る。




どーしよう

どーしよう…。



不幸にも私達の部屋と部屋の間はわずか1メートル。


スタイルのいい啓だったら余裕で手が届く。


ガラッ…



「盗み聞きかよ。最低やな。」


「なっ!?たまたま聞こえたからやんか!大体、啓の声がでかいねん!!」


最低と言う啓の顔が目に焼き付く。



「俺はお前のいとこがウザいから言うただけやろ!?」


…何がウザいねん。

満更でもないくせに。

「啓の隠してた好きな人って鈴ちゃんなんやろ!?」


勢いで言ってしまった。


「はぁ!?」


「部屋に女の子入れたの私意外の子で初めてやん!」

「お前だってこの前、南とかいうやつ部屋いれてたやん。んなのお前には関係ないやんけ!」
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