Pinky
「そーやっ!どーせ関係ないわ!勝手にラブラブしとけばええやん!!」


バタンッ!!

勢いよくドアを閉めた。



「ぅ…うぅっ。」


声を押し殺してないても漏れてしまう。

何で素直に謝れなかったんやろ…。


あの時謝ってれば…

こんな事にならなかったのに。



もう終わりや…。


こんな言い合いしたのは久しぶりやし。

鈴ちゃん…両想いなんやで?

よかったやん…。



私、いつから嫌われてたんやろ。




ん?

でも…ときどき本物の笑顔で私の頭を撫でてくれてた時もあったっけ。

はぁ…。


タイムスリップして過去に飛びたい気分やわ。


啓は勢いよく自分の部屋を出ていき、外で待たせてる鈴ちゃんの所へ行ってしまったようだ。



あーあ。

今日の…今のこれって失恋って言うんかな…。




その後少し経ってから、勇斗兄ちゃんが慌てた様子で私の家に来た。


「ど…どうしたん?」

びっくりしている私の顔を見て、勇斗兄ちゃんは手を顔の前に合わせてこう言った。


「美緒、頼む!掃除手伝って!!」



そ、掃除?

「…それは…。」


啓がもし途中で帰ってきたら…

想像するだけでも恐ろしい。


「頼むよ〜っ。友達れてくる約束してもて…。最近ずっと美緒の家で飯食ってたろ?だから家の中、散らかっちゃって。」

この兄弟は本当に掃除苦手やなぁ。


「えー…。」



どうしよう…。


「お願い!!」

そこまで言われると…。



ま、啓が帰って来るまでに片付ければいっか。
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