Pinky
「私の事…嫌ってたんじゃ…。」




「誰が嫌うねん。思い込みも大概にせぇよ。」


振り返った先にいたのは




「啓…。」


いつからそこにいたんやろ…。


「あー、もう!何泣いとんねん!」

そう言って近寄ってきた。



「鈴ちゃんは…?」

「あ?んなの、あいつが野球部のボールが当たって怪我したとか言い出して、ジャンケンで負けた俺があいつをおくるはめになったんや。」

「そ…やったんや。」



涙が止まらない。


「別にお前が思っとるよーな関係ちゃうで。ありえへんからな!」

必死で弁解しようとしてる。
その姿を見て、胸の奥がじんわり温かくなった。


「あと、あれだ。その写真は…俺にとってはすんげぇ大事なもんだから。」


「じゃ…じゃあ、なんで学校新聞が配られた日、嫌そうな顔して『付き合ってへんのにな』って言うたん?」



疑問に思ってた事を思いきって聞いてみた。



「…もしかして…あの時元気なかったのって…俺のせいか?」

私は口をひらかず横を向いた。



「あー…わりぃ。勘違いさせてたんやな。」


そう言いながら頭をかく啓。
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