Pinky
段々とお互いの顔が近づいていき、唇が重なった。



長い長い、でも優しいキス。

溶けてしまいそうだった。


長いキスが終わると、どちらからともなく唇が離れた。


啓の顔はあの穏やかな声と違って真っ赤。

私も人の事いえないけど。



「14年も…気づかなかった。」

へへ…と笑った。



「アホ。お前が異常に鈍感すぎるねん。」

「ごめん。でも、それじゃ、今までのチューは遊ばれてたんじゃなかったんや。」



これで何もかもつじつまが合う。


「なっ!?俺、そんな最低な事せぇへんわ!」

うわ…疑っちゃってごめん。

心の中で謝った。


「ま、どう思われてても、今誤解は解けたんやからもうええやん。」

「うん。そやね。」


また軽くキスされる。




すごく幸せ。

好きな人と両想いになるってこんな幸せになれるんや。



私、ずっと啓を追いかけてるようで、逆に追いかけられてたんやね。
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