Pinky
この前の朝、啓に抱き寄せられた時からなんかが狂ってきてる気がする。

色々思い出してると、後ろから背中をポンッとされた。

振り返ったら啓だった。

「ビックリしたー!声かけてや。」


「あはは。ごめんごめん。」

「美緒、今日なんかぼーっとしてへん?大丈夫か?」

「うん…。で、どしたの?」


「いや…、お前の付き添い。」



うん。

この優しい啓はずっと前から知ってる。

「ありがとっ。」

安心したし、今まで普通だった優しさが急に嬉しくなってきた。


「お前…。」

啓は嬉しそうにお礼を言った私を疑うような眼差しで見た。


「な、何?」

うっわ。
緊張する…


啓がうつ向いた私の顔を覗き込んだ。
< 28 / 226 >

この作品をシェア

pagetop