Pinky
「いっつもギリギリまで寝てるからやん。」

と言って私は笑った。


「眠てぇもんは眠てぇもん。」



朝から忙しいのは日常化している。
…この幼馴染みのせいで。
彼の名前は風岡啓(カザオカケイ)。

んで、私は仲本美緒(ナカモトミオ)。


私には年の離れたお兄ちゃんが1人いるだけで両親は私が小さい頃に亡くなった。



隣に住んでいる啓の両親にもかなりお世話になった。

今は2人とも仕事で海外にいるし、私のお兄ちゃんを慕ってた啓のお兄ちゃんは東京の大学で1人暮らし。


そして啓も1人暮らしになっている。




「あー!電車行ってまうで!」


「えっ!?うそ!走ろ!」


猛ダッシュで啓が走って電車の扉を押さえた。



「美緒、早くっ。」

走って走って啓に飛び付いた。


「うおっ…危ねぇ。」

「啓、ありがと。」



啓はニコッと笑って


「お前ほんまトロいなぁ。いっつもボーっとしとうからこうなんねん。」


て言った。
< 3 / 226 >

この作品をシェア

pagetop