Pinky
だから、私の恋を教えるのは奈々だけ…。

いつもは好きな人できたら即言いに行ってたんやけど…


今回ばかりは…ね。

なんか言いにくい。

いつも一緒にいる、一番身近な人だからこそ…。




「そら、パン買ってきたで。」

「サンキュー!」


皆食欲旺盛。

もりもり食べてる中、ちびちび食べる私。


「ほんま美緒は食べるの遅いな」

「しゃーないやん。あんまお腹空いてへんねんもん。」

膨れっ面で言った。

啓、なんでそんな機嫌いいんよ…。


「はよ食べな俺が残り全部食う…」

啓が言いかけた時、


「風岡先輩…ちょっといいですか?」

小柄な可愛い女の子が教室の入り口で啓の事呼んだ。


「ワリィ。ちょっと行ってくるわ。」

そう言って持ってた私のお箸を置いて行ってしまった。


「なんや。告白でもされんのか?啓。」

「多分そうでしょ。あの雰囲気は。」


奈々と英二の会話が頭に響く。

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