Pinky
「なによ!人がせっかくお礼言ってんのに!誰かさんが起きるの遅いからやろー!」



私がそう言うと啓は笑った。
啓の笑った顔は誰よりも可愛いと思う。



電車の中はいつも混雑している。



「オハヨ美緒ちゃん。」

「きゃっ…」


私は後ろから誰かに抱きつかれた。



「あっ!直哉、はよー。」

「はよー。啓、お前が羨ましいよ。美緒ちゃんと一緒に登校とかさ。」


「羨ましがってろや。」


いたずらっ子の顔してそう言った。



電車から降りて学校まで歩く。
40分ぐらいで着いた。



「じゃーな、直哉。」

「直哉くんバイバイ」


直哉くんとはクラスが別だけど、啓とは一緒だ。


教室に入り、英二(エイジ)と奈々(ナナ)のところに駆け寄った。
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