Pinky
「おい美緒ー。俺今日も部活だから先帰れ。」

「うん。わかったー。」



啓は野球部のくせに坊主じゃないんだよね…。
黒髪なのは褒めであげられるんだけど。


私は机の横に掛けてあるカバンと手提げを持った。



「それじゃ、頑張ってね」

「あ…」





「お前、背中にくもついてるで。」



!!!??



「えっ…えええぇっ取って!」


私の背中に手をのばすふりをして頭をクシャクシャしてきた。


「うっそ。」


「っ!?本気で焦ったやんかぁ!!」


半泣きの私を見て大笑いしてる。

ありえへん!
私が虫一番嫌いなの知ってて言うんやから。


「やんちゃすぎ!!高校生なのにもっと大人にならなあかんで。」


「んな怒んなって。俺が大人んなったら、お前がつまんなくなるで?」


そう言って啓は笑った。
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