カラフルBOX
クラスメートが学園祭の準備で盛り上がる中、私は少し離れた窓際で外を見つめていた。
「こら、林田。何一人だけ余裕こいてんだ!」
突然後ろからポコッと頭を叩かれる。
たいして痛くもないのに頭を抑えながら振り向くと、そこには……
スーツを着た男がまるめたプリントを手に持ち立っていた。
「陽ちゃん、痛いよ」
迷惑そうな顔をその男に向ける。
「陽ちゃんいうな!先生って呼べ」
私は返事をせずにほっぺたをふくらませた。これで私の不機嫌さは伝わっただろうか?
「ほれ、みんな準備してんだからオマエも参加しろよ。」
陽ちゃんは私の気持ちなんておかまいなしに私をみんながワイワイやってる中に追いやって、「こいつさぼってたから、こき使ってやって」なんて言って、私はなんか変なちまちました飾りを作るハメになった。
てか、普通に自分の係りの仕事はやってるってーの。
「陽ちゃんも手伝ってよー」
なんて、陽ちゃんに色目を使う安部マナミに「先生って呼べ」って同じセリフを返して陽ちゃんは教室を後にした。