消えない想い
叉ため息をついた時
靴箱の前に千佳を見つけた。
「ちーか!!」
「あ、楓っ!!大丈夫?」
千佳は心配そうに私に駆け寄って、ホッとしたように言った。
「でも、良かったね!!この前の1年の男の子が運んでくれたみたいだよ」
それを聞いた瞬間私は胸が締め付けられるように
苦しくなって・・・
涙がこぼれそうになった。
まだ優希君は会って少ししかたってないのにどうして・・・
こんなに苦しくなるのかな・・・?
「楓」
千佳が私の手をとった。
「帰ろっか...!」
私に向けた笑顔には、「頑張って」って言葉が
隠れているような気がして・・・
-千佳、ありがとう。
やっぱり千佳は
私の一番の理解者 親友だよ。
「あっ!もう時間だ!ごめん楓。
私バイトの時間だから・・・送ってあげられなくてごめんね?」
「ううん、大丈夫だよ。頑張って!」
と本当は大丈夫じゃないのに千佳を見送った。
多分・・・私が大丈夫じゃないって事、
千佳は気づいてくれてる。
だから、今の千佳の笑顔は、
いつもの笑顔じゃなかったんだよねー・・・
私は千佳を見送って、1人でいつもの道を帰っていた。
違和感を感じた・・・
・・・なんかいる?
私誰かにつけられてる-・・・?
春にしては日が暮れるのが早くて。
辺りは薄暗い。
後からの足音はどんどん近づいてくる。
私は怖くなって叫ぼうとした。
だけど、恐怖で声が出ない。
「っ・・・!」