消えない想い
涙で視界がにじむ。
ドンッ!
私はすごい勢いで倒された。
「っ・・・いたぁ・・・っ」
「おとなしくしろって・・・」
「!!?」
凄い力で口を抑えつけられた。
「んーっ・・・?!」
どうしよう・・・っ 助けてっ!!
私の頭に優希君の顔が浮かんだ時だった。
「・・・女相手に何やってんだよ」
-ガッ
私は腕を引っ張られた。
「っ-いってぇ!!・・・にすんだよ!」
私を倒した男が殴られた所を押さえながら叫ぶ。
それに冷ややかな目で見下ろしたのはー
「ゆ・・・うき、くん・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
私の言葉には答えずに、
黙って腕を引っ張って行く。
何を言えばいいのか分からなかった。
ほんとは、謝らなきゃいけないのに・・・
言葉が出てこない。
「優希君」
私は引っ張られた手を強引に引っ張った。
「助けてくれてありがとう」
私は、涙をこぼしながら言っていた。
「先・・・輩?」
自分でもどうすればいいか分からない。
ただ、優希君と話せないだけで、
こんなに涙が出る。