消えない想い
「本当だ・・・」

背は高い方で、髪は茶色っぽくて・・・けっこうかっこいい方。
どんどん私達の方に近づいてくる。

「こっち来るよ!どうする?」

千佳が焦っている。

「来ないよ。そんな焦んないの!」

といいつつ私も少しは期待していた。
でも期待ははずれ通りすぎてしまった。

「期待しすぎかぁ」

と千佳が言う。千佳と私は幼馴染。
何でも話せて気の合う2人。さすが千佳。
私と同じ事考えてるんだもん。私は小さく笑った。
・・・それより、あの1年生カッコよかったなぁ。
ちょっと話かけてほしかったかも。

私達は、新しく出来たお店につづく道を歩いて行った。

「それにしても人多いね・・・ってあれ?」

気づいたら千佳がいない・・・どこ行ったんだろう・・・
そんな事を思っていると

「そこのお姉ちゃん、俺達と一緒に遊ばん?」

気づいたら男2人が私を囲んでいた。

「あのー・・・ごめんなさい・・・急いでるんで」

何この人達?! こわっ!
私が逃げようとすると、男2人が私の腕を思い切り掴んでいた。

「いたっ・・・ちょっと、やめてよ!」

力いっぱい振り払おうと掴まれた腕を振るが
男2人の力にはかなうはずもなくて。
もう駄目・・・と諦めかけた時。

「ちょっとどいてくれる?俺の彼女なんだけど。俺の女に
手ぇ出すとか100年早ぇえんだよ」

私を助ける声がしてその声の方を向くと
今さっき通りすぎていった男の子がいた。
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