草食君の説明書★


「一年?」


「そうやけど?」





今までの敬語撤回します。年下と分かれば、あたしは強い…はず。





「この間、あたしとぶつかったの、あんた。その時、眼鏡落ちてなかった?」


「んなの、俺が知るか。」


「うっ…。み、見てない?」


「見てへんわ。俺が見たんは、度の入ってない安い伊達眼鏡だけや。」





ん?
度の入ってない安い伊達眼鏡………!?

それだ。
見つけたーあたしの眼鏡君!





「それ、あたしのなんだ!」


「そっ。」


「…………………」


「…………………」





な、何よこの無言。




「何、返せって?」


「あ、当たり前じゃん!あたしのだし。」


「お礼無しで?」





きぃーこいつぅぅ!!!
お礼求めるわけ?
なんて生意気なんだよ!

そのまま関西君は、立ち去ろうとした。


120円が………
しょうがない。




「分かった、ジュースでいいなら奢る。」


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