草食君の説明書★


「そこまで笑う?」




あまりにも声を殺して笑う和馬に、怒りが沸いて来る。

威嚇したつもりで睨んだのに…




「はいはい。」




完璧効果無し!
っていうか、むしろまた馬鹿にされてる?

そのままどうでもいい話を続け、気がつけば駅に到着。





「次の電車いつ?」


「後…15分後ぐらい?」


「はい、それ嘘。」





あっさり見破られた。

本当は、後5分後なんだけど…。
もう少し和馬と居たかったから、嘘言ったのに。




「和馬はバスいいの?」


「んー…、そっちが電車に乗ったらバス乗るよ。」


「いや、もうすぐ来るでしょ?バス。」


「いーんだよ。」





今、心配された?
今、和馬君私を心配したのぉ~?





「か、和馬…それって…、心配?」


「一応。」





心配してくれたんだぁー。

たったそれだけで、また心が躍る踊る。
むしろ跳びはねるわ。

その時だった。



< 8 / 40 >

この作品をシェア

pagetop