1995


冷たい、ねぇ。


すず?


いつも香るコーヒーの匂いがしない。慌てて見ると、僕の隣の枕は冷えきっていて昨日とまったく変わってなかった。



すぐにわかった。鈴はもう帰ってこないって。



すず、もう、少し一緒にいたかったよ。






遠くで波の音がする。

コーヒーはいつもより苦くて、砂糖が必要だった。




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