あたし専用の恋日記。
「・・・はは・・・
先輩冗談はよしてくださ・・・」
「冗談なんかじゃねーわ」

先輩・・・
ほんとにあたしを・・・?

「・・・返事はわかってる。
せやから・・・今はまだ返事しねーといて」

・・・先輩。
先輩と付き合えばあたし、聖都を消せる?
先輩と付き合えば、生徒への片想いにさよならできる・・・?

「未ー嘉。
さっきからなーんで全部がうわの空なの?
なんかあったの?」
・・・奏・・・ほんとにいい子。
「ううん何も・・・」
あたしのその言葉を聞いた奏は、悲しい顔をした。
なんで悲しい顔するの?
奏に笑ってもらいたかったから、嘘ついたのに。
「・・・やっぱりあたしじゃ・・・
相談相手にはなれないのかな・・・」
・・・奏・・・。
「変な事聞いてごめんっっ」
「あっっ奏!!」
奏は、教室を出て行ってしまった。

「未嘉!元気ねーじゃん。何かあったのかよ」
聖都まで・・・。
「別になにもー」
あたしは自販機で買ったお茶を一口飲んだ。
「そういえばお前、3年の川田智章に告られたんだって?」
ブーーーーーッッ!!!
「ゲホッゲホッゲホッ」
「んだよきったねー」
思わずお茶をふきだしてしまった・・・。
漫画でよくあるよね、こういうシーン。
「なんっっっであんたが知ってんのよ!!」
「なんか1年の女子が『小坂先輩の幼なじみの女、3年の川田智章さんに告られたらしーですよ~』って言ってたから」
「あーそーですかー」
そういやこいつのファンは星の数ほどいるんだった。

キーンコーンカーンコーン・・・

「! やば、予鈴だ!
じゃあね聖都!」
「おう」

「・・・!・・・・・」
「!!」
走ってると、奏と・・・
鉢合わせ・・・。
「・・・っっ」
奏は走って逃げようとした。
「! 待って!」
あたしは奏の腕をつかんだ。
「ごめんさっき・・・
あたし・・・3年生の先輩に告られて・・・っっ
それで・・・」
「――――――――――言ってくれてありがとう」
・・・奏?
「あたし、未嘉がうらやましい」
「え?」
そう言って奏は行ってしまった。
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