あたし専用の恋日記。
「ねっっあの子だよ!
聖都さまに告られたって奴!」
「うっっわ不細工!!
何あの子ぉ、聖都さまはどこがいいっていうのかしら!」
「え、オレ結構かわいいと思うけど」
みんなから見るあたしの顔のかわいさはそれぞれ違う。
見事にバラバラ・・・。
でも“かわいい”って言ってくれてる人も少なくない事にちょっと感動。

「おはよ奏!」
あたしは未嘉に肩をポンッと叩かれた。
「未嘉!おっはよぉぉ♪♪」
「・・・その様子だと、大丈夫そうね」
「ん??なにがぁ???」
「聖都の事よ!あいつ、何気に超モテるし、
奏なんか被害あってないかなって・・・」
みっっ・・・・・
「未嘉ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
未嘉はなんていい子なの!!!」
あたしは感動して未嘉に抱きついた。
「・・・ちょっと。上から目線やめてくれる??」
「ごっめぇん」
「よろしい。
んで、1時間目移動教室らしいよ」
「まっじー♪♪
雑誌もってこー♥」

「・・・その雑誌何?」
「はぁ!?ポロロ知らないの!??」
「・・・表紙見りゃわかるわよ。
あんたの大好きな山畑涼太(やまはた・りょうた)じゃない」
「そー♪今月特集らしいから、数え切れるほどの小遣いをしぼって買いました!!」
「・・・ふぅん」
山畑涼太くんとは。
今をときめく超大人気アイドルグループの一員で、そのグループの中でも飛び抜けて人気。

「藍田!告白の返事、考えた?」
!!
「こっ小坂く――――――」
「あら聖都。
あたしたち移動教室なのよ、あとでもいい?」
「なんだ、未嘉じゃねぇか!
ひさしぶりだな、まーたかわいくなったな!」
あ、そうだ。
未嘉と小坂くんは幼なじみだった。
「んじゃなお二人さん!
藍田、返事考えとけよー」
―――無理、かっこよすぎる!!!
でもだからといってOKなんかしちゃったら・・・。
女子軍団に、にらまれるに決まってる。

「あ゛ーどうしよ・・・」
< 4 / 67 >

この作品をシェア

pagetop