あたし専用の恋日記。
~未嘉~

突然の事だったから。
みんなびっくりしたに違いない。

“ッッ未嘉!!黒多観歌!!!”

あの大きな声。
あたしにとって・・・すっごくかっこよかった。


“なんで・・・こんな事するの!?
みゆちゃん嫌がってんじゃん!!!
なんで人の痛みくらいわかんないんだよ!!!
勉強や運動ができたって、顔が可愛くたって、人の痛みがわかんない奴はゴミクズ以下なんだよ!!!!!”


奏にあんな事言われたの・・・初めてだった。
奏はいっつも優しくて・・・
笑ってたから。
だからみんなに人気あって、やっぱり優しくて。
ちょっとそれが悔しかったけど、あたしも奏が大好きでしょうがないから。

奏―――・・・
なんであたし、いじめなんてしたんだろうって思うよ・・・


「うっ・・・う・・・」


みゆは泣きやむ事を知らない。
もうずっと泣きじゃくってる。

「みゆちゃん・・・いきなり怒鳴っちゃってごめ・・・」
奏がみゆに謝ってた。
なんで奏が謝る必要あんの?
そーいうの、まじむかつく。

「なんで・・・奏ちゃん謝るの!?
ごめんねごめんね・・・
私がいじめられてたから・・・
奏ちゃんに・・・迷惑かけちゃって・・・」

・・・みゆってほんとぶりっ子。
奏に大事にしてほしいから、かわいこぶってるんでしょ?
そんなの誰だって・・・お見通し。


「ッッ未嘉!黒多観歌!!
みゆちゃんに謝れよ!!!」


!

奏は、凛々しい目をしてた。

謝る・・・?

ちらっと観歌のほうを見たけど

観歌はあたしを睨むだけだった―――――
< 62 / 67 >

この作品をシェア

pagetop