あたし専用の恋日記。
~未嘉~

とっさに出ちゃった言葉。

“―――――――――――別に何もないよ”

・・・何もないはずがない。
だって聖都と奏が、だんだん仲良しになってく。
あたしなんかほっといて、2人だけの世界を楽しむようになる。

そんなの―――――――――嫌。

聖都の1番近くで笑っていたい。
絶対に、誰にも渡したくない。
ずっと秘密にしてた。
自分にも気づかれないように、感情を押し込んでた。

でも、無理だった―――――――――。

「よぉ未嘉。
今日藍田一緒じゃねぇの?」

ズキ・・・ン。

やっぱ奏の事か・・・。
「・・・聖都、あんたもしかして一緒に帰る気?」
「ああ。悪かった?」
「べーつーにー」
あたしどうもかわいくない態度とっちゃう。

「・・・ねぇ聖都。
奏のどこが・・・気に入ったの?」
「素朴な疑問だなー。
特別に教えてやるよ!
あいつさ、手芸部だろ?
んで、手袋編んでたんだ。
手芸部の子たちは彼氏にあげるって言ってて、みんな男向けのデザインだからなんとなく自分も彼氏はいねぇけど男向け作ったんだとよ。
そこにオレが偶然通りかかって。
未嘉にあげたかったけど、男の子ものだしって言うから。
“じゃあ、オレにくれねぇ?”って言ったんだ。
そしたら、“え、もらってくれるんですか!?ありがとうございます!”だって。
あんときの笑顔は今思い出してもかわいかったな――――――
って話長くてごめん。(笑)」

・・・何よ・・・その話。
奏ったら、あたしに内緒で聖都とそんな関係もってたなんて。
あたし、聖都に告った方がいいのかな。
これ以上、我慢はできないかもしれない―――。
< 7 / 67 >

この作品をシェア

pagetop