初恋
2.口紅
思い出
長い、夢を見ていた。
高校時代の、初恋の夢。
あまりにもリアルすぎて――目覚めが悪い。
そしてずいぶんと、あたしは長いこと寝ていた気がする。
まだあんまり働かない頭で――昨日のことを、ぼんやりと思い出していた。
前の晩は徹夜でレポート書いてて、そのまま一睡もせずに学校行って――
そうか、学校終わってすぐに雄太の部屋に来たんだ。
ようやく記憶がつながって、あたしは首だけを左に傾けた。
隣では、きれいな寝顔を見せて、雄太が規則正しい寝息をたてている。
濃く影をおとす長いまつげがうらめしい。
どうせなら、あたしもこんなきれいな顔で生まれて来たかった。
今度は反対側に首をひねって、壁に掛けてある時計を見上げた。
今は朝の7時。
今日は土曜日だけど――昼から、あたしの教授の研究室に顔を出さないといけない。
あんまりうかうか寝ていられないな、と、ぼんやり考えていたら。
「――零ちゃん」
雄太が起きてしまった。
「ごめん、起こしちゃった?」
「ううん、別に――」
そう言って、雄太は寝ぼけたままあたしに抱きついてきた。
高校時代の、初恋の夢。
あまりにもリアルすぎて――目覚めが悪い。
そしてずいぶんと、あたしは長いこと寝ていた気がする。
まだあんまり働かない頭で――昨日のことを、ぼんやりと思い出していた。
前の晩は徹夜でレポート書いてて、そのまま一睡もせずに学校行って――
そうか、学校終わってすぐに雄太の部屋に来たんだ。
ようやく記憶がつながって、あたしは首だけを左に傾けた。
隣では、きれいな寝顔を見せて、雄太が規則正しい寝息をたてている。
濃く影をおとす長いまつげがうらめしい。
どうせなら、あたしもこんなきれいな顔で生まれて来たかった。
今度は反対側に首をひねって、壁に掛けてある時計を見上げた。
今は朝の7時。
今日は土曜日だけど――昼から、あたしの教授の研究室に顔を出さないといけない。
あんまりうかうか寝ていられないな、と、ぼんやり考えていたら。
「――零ちゃん」
雄太が起きてしまった。
「ごめん、起こしちゃった?」
「ううん、別に――」
そう言って、雄太は寝ぼけたままあたしに抱きついてきた。