初恋
先生は知らなくてもいいから――

こっそり、
勉強会という口実の元で、

誕生日を大好きな人と過ごせたらよかったのに。




『またぜひ勉強会をお願いしますm(__)m』


『2月になったらおれも春休みだし、どんどん見てやるよ』


『大学って、2月から春休みなんですか!?』


『いいだろー』


『大学生っていいなぁ(;_;)』


『南高なら進学率高いから、うちの大学ぐらい夢じゃないだろ』


そこで、あたしはちょっと想像してみた。

大学ってきっと、うんと広い教室に、長い机が階段みたいに並んでて――


その机で、先生が授業を聞いてノートをとってる。



あと何年後かには、あたしも先生の横に座って授業を一緒に受けてる!


「――でもそんな頃には先生は卒業してるか」


現実問題にぶちあたって、あたしはここでため息をついた。



先生と一緒に学生生活を送ってみたい。


それは大学でも、高校でもよかった。

毎日学校で会って、仲良くなって――

たまに電車が一緒になったり、時にはお弁当を一緒に食べたり。



乙女の妄想は咲き乱れるばかりで。
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