初恋
中学校時代の知り合いはゼロ。

そんな環境の中で、友達ができるのかどうか、かなり不安があった。


新しい担任に教室まで案内され、生徒全員、二列になって歩く。


「はい、じゃあ出席番号順に座って――」


席につくと名字の順番から、左隣が女の子、右隣が男の子だった。


「えー、私がきみたちのクラスの担任になりました。家村といいます」


いかにも体育会系!といった感じの男の先生が、ハキハキと自己紹介をした。


「じゃあみんなにも、一通り自己紹介をしてもらおうかな」


ひとりずつ自己紹介を始めると、あたしはいよいよドキドキしてきた。


「条南中から来た、沢村零です。よろしくお願いします――」





チャイムが鳴ると、左隣の女の子が話しかけてきた。


「えっと、沢村さんだったよね。あたし木山亜樹。アキってよんでね!」


「あ、ありがとう!これからよろしく!あたしも、レイってよんで」


これが、大学まで腐れ縁を引きずることになる、アキとの出会いだった。


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