初恋
「――ん?」


むくっと起き上がると、あたしは頭をぽりぽりと掻いた。


「――?」


なんだか、とても幸せな夢を見ていた気がする。

先生が出てきて、わたあめがあって、好きだよって言ってくれて――。


「うーん」


なにがなんだかよくわからない夢だったなぁ、なんて呑気なことを考えていたあたしだったけど、


「――あ!」


ようやく、昨日あった出来事を思い出した。



どうしてでしょう。

昨日の事も全てが夢であってほしいと祈ってしまうあたし。


ケータイのメールボックスをおそるおそる、開いてみると――


『明日の放課後会いたい。学校終わったら連絡くれ』


「!!」


あたしのはかない願いは通じず、やっぱりあれが現実だったことを思い知らされたのでした。


「夢じゃなかったんだ...!」


あたしは愕然とした。

じゃあ、昨日あんな恥ずかしい告白をした(強引にさせられた)のも夢じゃなくて――現実?


どんな顔して先生に会えばいいのよ!



でも――


「結局、チューしたのかな」


あたしにはさっきの夢の続きのほうが気になって仕方がなかった。
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