ずっと君のそばに…
『三浦なんかあった?』


昼休み、隣で弁当を食ってた野中が声をかけて来た。



野中とは仲良いけど、紗耶香に対する俺のキモチは話してない。



『別に…』


心配してくれた野中には悪いけど、素っ気なく答えた。



今、悩みを口に出したら、自分のキモチが揺らぎそうだったから。



無心で弁当を食ってると、


『三浦くんと野中くん、夏休み最後の午前の練習お疲れ様♪』


と、マネージャーの青木がやって来た。



『これ、差し入れっ☆

他の部員には秘密ね』


青木は俺と野中にコンビニの袋に入った、買ったばかりでまだ冷えてる500mlのペットボトルのお茶を差し出した。



透き通ったお茶が入っている500mlのペットボトルを見てたら、また紗耶香の事を思い出した。


お茶っぱが浮いてて、少し濁ったお茶の入っている500mlのペットボトルを、笑顔で差し出す紗耶香を。
< 25 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop